誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)について

私は急性期病院で働いていますが、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)で入院または再入院という方、または入院中に誤嚥性肺炎となってしまい退院延期となる方が大変多いと感じます。皆さんの病院はどうでしょうか。

サルコペニアや栄養などのキーワードで検索していると、かなりの確立でこのにっくき「誤嚥性肺炎」という言葉が出てきます。

そこで誤嚥性肺炎について調べてみましたので、よろしければ最後までお付き合いいただければ幸いです。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは?

誤嚥性肺炎とは食物や胃からの逆流物、汚染された唾液などが気管に入る事により発症した肺炎を指します。肺炎入院患者のうち誤嚥性肺炎の占める割合は50歳代から急激に増大し、70歳代で6割、80歳代で8割以上と報告されており、さらに肺炎は2011年に脳血管障害を抜いて国内死亡原因の第三位に上昇しています。そしてその9割を高齢者が占めています!

誤嚥の原因は嚥下機能低下・喀出力低下が主です。不顕性誤嚥は夜間の入眠中に生じやすく、唾液と混じった口腔内の細菌を少しずつ誤嚥し、じわじわ気管内に広がり肺炎に至ります。そのため経管栄養のみでも口腔ケアが不十分であれば汚染された唾液を誤嚥し肺炎を発症してしまいます。

誤嚥性肺炎を発症した高齢者はサルコペニアを有している事が多く、禁食・安静・不適切な栄養管理により嚥下筋のサルコペニアが進行し、重度の摂食嚥下障害に繋がる事があります。そのため、サルコペニアの摂食嚥下障害はサルコペニアと摂食嚥下障害の双方にアプローチが必要。

出てきました!サルコペニア。やはり高齢者ではいかにサルコペニア・フレイルなどに陥らないように予防するかが重要になりそうです。(フレイルについても、いずれコラムに掲載していきたいと思っています)

誤嚥性肺炎のリスク因子に関して、国内高齢者入院患者では痰吸引回数・摂食嚥下障害・脱水・認知症の4つが示されています。その中でも、口腔ケアの予防効果を示すエビデンスは多く、肺炎予防・肺炎からの死亡率も軽減させるとの報告があり、特に夜間の不顕性誤嚥による肺炎の予防に有効であると考えられています。このようなところからも、口腔衛生や栄養などチームで介入する重要性を実感します。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の治療

誤嚥性肺炎の治療は、まず抗菌薬治療・必要に応じて酸素療法・輸液療法が行われ、治療中は安静・禁食となる事が多いのが現状です。以前のコラムにも載せましたが、この安静・禁食がADL低下を招くリスクが非常に高いようです。前田らの報告では、誤嚥性肺炎での一時的な絶食が治療期間の延長・嚥下機能の低下をもたらすことが示されました。このため、嚥下機能だけでなく全身状態や栄養状態・呼吸機能などを包括的にアセスメントして経口摂取の早期再開を目指すことが重要です。

包括的アセスメントに基づく早期経口摂取・早期離床は誤嚥性肺炎患者の二次障害予防に有効であり、ひいては在院日数の短縮に繋がるという報告も出ています。

疾患については誤嚥性肺炎による侵襲と既往の慢性疾患による悪液質が考えられ、また慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患が既往にある事も多いようです。運動療法による抗炎症作用は悪液質に対しても有効であると考えられます。

誤嚥性肺炎の侵襲が異化期か同化期かに応じて機能訓練の目的を考慮し、異化期であれば機能維持を目的として、座位訓練・関節可動域訓練・口腔や舌のマッサージ・呼吸リハなどを行い、同化期であれば全身・嚥下筋に対するレジスタンストレーニングを行います。この際、栄養状態を考慮せずに行うと筋量・筋力共に改善しません!

高齢かつ肺炎入院患者は経口摂取復帰率6割であるという報告もあります。今まで普通に食べることができた方たちが、わずか数週の間に食事ができなくなってしまうことが現状では4割もあるという事です。自分の家族を想像したとき、たった数週間でそんな状態になってしまったら悔しくて仕方ないと思います。

少しでもこの割合を減らしていくために、私はもっと病態を理解して、より良い介入をしていきたいと思いました。

最後まで読んで頂きありがとうございました。更に良いコラムが書けるように頑張っていきますので、これからも宜しくお願い致します。