ストレスと体内時計

みなさん、幸福度という言葉は聞いたことがあるでしょうか?

幸福度に関する分析で、統計学的に、「ストレスがないヒトはあるヒトよりも幸福である」と言われています。でも、どうでしょうか?
現代社会で、「ストレス」を感じないヒトは居ないほど、私たちは日々、いろんな環境下でいろんな場面で、「ストレス」にさらされています。

適度な「ストレス」は必要であると思いますが、国の調査では2003年以降5割前後で推移しており、約半数がストレスを感じながら生活していることがわかっています。
夕方から夜間のストレスが生活習慣病とされる、肥満や糖尿病といった原因を早稲田大学理工学部学院の研究チームがマウスを用いた実験で明らかにしました。

私たちを形成しているほとんどの細胞には約24時間周期という体内時計が存在しており、みなさんも一度は聞いたことがあると思います。体内時計は時計遺伝子で制御されていると言われています。その、体内時計が乱れると肥満・糖尿病やガンなどの発症リスクが高まるとされ、コルチゾールやアドレナリンなどのいわゆる「ストレスホルモン」が影響を及ぼすことがわかっています。

ただ、今まで、個体レベルでストレスが体内時計にどのような影響を与えるのかがわかっていなかった。

そこで、研究チームは、ストレスによって体内時計がどう変化するか、いつ受けると影響があるのか、慢性的なストレスは体内時計にどのような影響を与え、どのようなストレスが体内時計に影響するか、マウスを用いて実験で検討した。

マウスが寝ている時刻に物理的・心理的ストレスを2時間与えたところ、肝臓、腎臓、唾液腺、副腎の体内時計が早まり、脳内の海馬や大脳皮質でも変化が起こることをつきとめた。また、ストレス負荷の時刻を計測したところ、朝には影響がなかったが、夕方では体内時計が遅れ、夜では体内時計が組織間でバラバラになることが判明しました。

夜のはじめのストレスでは、肝臓と唾液腺で時計の時刻が真逆になり、さらに腎臓では時計振動がストップしてしまい、体の中でいわゆる、時差ボケ状態になっていることがわかった。

一方、週3日間のストレス負荷を5週間続けた結果、ストレスによる体内時計の乱れはみられなくなった。さらに、高い場所で不安にさせたり、体が大きく攻撃的なマウスに近づけたりするストレスでも体内時計が大きく乱れることもわかった。このように、ストレスを受けるタイミングで、体内時計の応答が異なることが明らかにわかった。

私たちの体にはストレスに慣れる「ストレス耐性」というものが備わっており、継続したストレス刺激ではストレスホルモンの分泌も弱まっていく。今回の研究チームの実験では、そのような「慣れ」が体内時計のストレス応答にもあることが示された。

「朝よりも夕方から夜間のストレスが、体内時計をより乱しやすいので注意が必要だ。夜間交代勤務などのシフトワーカーは時差ボケかつ体内時計が乱れていると考えられるが、夜勤中のストレスにさらされると、その影響をさらに強める可能性がある」と、研究チームは述べている。

これまでは、光や食事が体内時計リセットに重要と考えられていたが、今回の実験でストレスもそれに匹敵する影響力をもっていることが明らかになった。なので、軽度なストレスは体内時計を正しい時刻に保つのに重要である可能性があり、アドレナリン分泌などストレスと似た生理応答を示す運動やトレーニングを、軽度なストレスとして利用することで、体内時計を調整できる可能性があると考えられる。

これは、あくまでもマウスの動物実験結果であるが、私たちヒトも動物である以上、なにかしら、「ストレス」が私たちに影響を及ぼすと考えられる。ストレス社会と言われる、現代の中で、さらに患者さんは日々過ごされていた生活と一変して、環境が変化し、入院・手術・治療といった今までになかった、身体的にも精神的にもいろんなストレスにさらされている状況である。そのストレスを少しでも、和らげる対応を我々、セラピストは考えていかなければならない。

そして、何よりも、患者さんを「ストレス」から守るセラピストもまた、一人のヒトであることを忘れてはならない。患者さんもセラピストも「ストレス」と上手に付き合っていくことで、その人自身の”幸福”がさらに輝けるものになると信じている。先ずは、自分の大切なヒトを笑顔にして下さい。

その時、自分もきっと、笑顔になっていると思いますよ。