『サルコペニア』ってなんだろう?vol.2

以前、サルコペニアについてこのコラムで書かせていただきました。

自分自身、大変興味のある分野のため、少しずつですが知識を拡大させていっています。
今回は少しばかり増えたサルコペニアの知識をアウトプットしていきたいと思います。

~前回のおさらい~

●サルコペニアは筋肉量減少と筋力低下の状態であり、高齢者の自立を著しく阻害する因子である。

●サルコペニアは加齢による「原発性サルコペニア」、活動・栄養・疾患による「二次性サルコペニア」がある。

●サルコペニアのアジアにおける診断基準(AWGS2014)は
①握力(男20kg女16kg)
②歩行速度(0.8m/秒)
これらどちらかが基準値以下の場合、筋力評価をします。簡単なものでは、下腿周径長があり男34㎝、女33㎝以下でサルコペニアということになります。

●サルコペニアの評価は重要で、病態を理解した上で正しい対応が必要

といったところでしょうか。
コラムを書いてから少し時間が経っているため、忘れてしまった人、とっくに理解している人、初耳な人それぞれだと思いますが、興味がある方は以前のコラムも読んでいただけると嬉しいです。前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

サルコペニアは筋肉量・筋力が著しく低下している状態ですが、その根本的な原因は、筋タンパクの合成と分解のバランスが崩れてしまっている事にあります。

主に減少する筋線維は、タイプⅡ筋線維と速筋と呼ばれるものです。ただし最近の報告では、80歳を過ぎるとタイプⅠ筋線維も同等レベル減少すると言われてきています。部位では上肢よりも下肢で著しく低下するようです。

CTやMRIでは筋肉組織の減少に伴い、脂肪や細胞外線維が筋肉間に浸潤しているのが観察され、筋肉間の脂肪の沈着は炎症の引き金になる事も示唆されています。この炎症により、さらなる骨格筋萎縮が加速する可能性があります。

筋タンパクの合成・分解に関わる因子はどのようなものがあるのでしょうか。
分解が亢進する要因の一部を表にします。

・身体活動度(運動)↓
・栄養(タンパク質)↓
・骨格筋幹細胞(衛星細胞)の減少・活性不全
・炎症(TNF-α・IL-6)↑
・ミトコンドリア↓
・ホルモン(GH・IGF-1・DHEA)↓
・ビタミンD↓
・筋血流↓

私は理学療法士なので、介入できるポイントとしては運動・栄養・筋血流あたりが中心となるでしょう。

ここで注意する必要があるのは、例えば、筋萎縮させないために運動を行おうとしたときに、身体が筋タンパク合成できる状態にあるかという事です。異化期に筋破壊を起こすような運動は逆効果でしょう。
サルコペニアに陥った原因の把握や身体状況の把握は大変重要です。はたして安静、絶食、過度な運動etc・・・それらの処方が本当に適切か、しっかりとした判断基準をもって介入することが大切だと思われます。

今日はここまでにさせて頂きます。読んでいただいてありがとうございました。
意見や皆さんの考えなどもいただけたら嬉しいです。

しばらくは、サルコペニアやフレイル、悪液質などについて引き続き書いていきたいと思います。宜しくお願いします。

~参考文献~
Nestle Nutrition Council, Japan September2012 山田実 サルコペニアと介護予防

外科と代謝・栄養50巻1号 2016.2 若林秀隆 リハビリテーション栄養とサルコペニア

外科と代謝・栄養50巻1号 2016.2 葛谷雅文 サルコペニアと栄養管理