認知症患者を誰が見守っていくのか?

最近、世間の関心を集めた認知症患者の鉄道事故に関する最高裁判決がありました。この裁判は「監督責任はどこにあるのか」というものでした。裁判結果は家族には「監督責任なし」という結果になりましたが、このニュースから見えてくる問題は誰が認知症患者を見守っていかなければいけないのかということです。

平成26年に認知症が原因で行方不明になったとして家族らから警察に届けられたのは1万783人となっています。

2025年、日本では3657万人が65歳以上の高齢者となり、認知症患者も700万人になり、65歳以上の単独世帯・夫婦のみの世帯が増えていくことが予測されています。また、高齢者数は変わらないまま2055年には人口は減少し9000万人になると言われています。

こんな社会の中でどのように認知症患者を支えていけばいいのでしょうか。やはり、家族がちゃんと責任を持って見守っていかなければならないのでしょうか。

しかし、今後、65歳以上の単独世帯・夫婦のみ世帯が増えていきます。家族だけでみていくには限界があると思います。政府は特別養護老人ホームなどの介護施設の追加整備を進めているようですが、高齢者が増え、生産年齢人口が減っていく中でスタッフの確保はできるのでしょうか。難しい問題ですが、どちらも正しくもあり間違っているようにも思えます。

近年、地域包括ケアという言葉が徐々に広まってきています。

地域包括ケアとは、高齢者が重度の要介護状態となっても住み慣れた地域で暮らし続けられるように、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体で提供することを目指す仕組みのことです。この仕組みは地域によって地域特性が違うため日本全体で作り上げていくことは難しく、地域ごとに今後来たる2025年に向けて作り上げていくことが必要です。

また、地域包括ケアを進めていく中で「自助」・「互助」・「共助」・「公助」という視点が必要になってきます。

「自助」・「互助」・「共助」・「公助」とは

日本国民は社会保障制度というもので最低限の生活は保証されています。

「自助」とは…自分のことは自分ですること
「互助」とは…家族や近隣の方々の援助やNPO・ボランティアなど公的なサービスによらない支援
「共助」とは…医療保険や介護保険など一部の公的サービスを利用する支援
「公助」とは…上記の支援では支えられず、生活保護など全般的に公的な援助による支援

日本の社会保障制度では「自助を基本としつつ、互助・共助(=社会保険制度)が自助を支え、自助・互助・共助で対応できない場合に公的扶助等の公助が補完する仕組み」が基本となっています。

今後、高齢者及び認知症患者とともに地域の中で生活していくには、公的なサービスである「共助」・「公助」に頼っているだけでは限界があります。最近はよく「近所付き合いがない」などと言われていますが、これからは近所での顔の見える関係作りを築き上げていき、家族のみならず近隣の助け合いである「互助」を強めていくことが大切なのではないかと感じています。

みなさんは2055年には何歳ですか?

もしかしたら、高齢者になっていませんか。自分が認知症になっているかみしれませんよ。これは他人事ではないのです。皆さんが可能な限り住み慣れた地域で生活を続けていくためのどうしていくか一人一人が今から考えていかなければいけないことなのです。
この先、私が高齢者になった時に自分らしい生活が続けていけるような地域環境が出来ていることを願っています。
最後までご愛読頂きましてありがとうございました。