ロコモティブ シンドローム(運動器症候群)とは?

「メタボ」という言葉はよく耳にするかと思いますが、「メタボ」は2006年に流行語大賞にノミネートされた言葉で「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の略です。「メタボ」という言葉を知って健康に気を使うようになった方々もいるのではないでしょうか。

みなさん、「ロコモ」をご存じですか?「ロコモ」とは、「ロコモティブ シンドローム(運動器症候群)」の略です。今回「ロコモ」という言葉を知ってもらうことで「メタボ」同様に健康意識を高めてもらえればと思っています。

「ロコモ」とは

骨、関節、筋肉などの運動器の働きが衰えることで暮らしの自立度が低下し、介護・介助が必要になり寝たきりになる可能性が高くなります。そんな運動器の障害により日常生活に制限をきたし要介護になる危険の高い状態を指します。日本整形外科学会が、2007年(平成19年)に超高齢社会・日本の未来を見据え提唱しました。

運動器とは

身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称です。骨、関節、筋肉はそれぞれが連携して働いており、どれかひとつが悪くても身体はうまく動きません。人は運動器による身体運動を介して生活や活動を行っています。また、自分の意志で活用できる唯一の組織でもあります。

健康寿命と平均寿命

健康寿命とは健康上の問題がなく介護を必要としないで日常生活を送れる年齢期間のことです。我が国の男性の平均寿命は80.21歳で健康寿命は71.19歳であり、女性の平均寿命は86.61歳で健康寿命は74.21歳となっています(厚生労働省:2013年)。平均寿命と健康寿命の間は、男性で約9年、女性で約13年の差があります。

我が国の背景

現在の我が国は今までに経験のないほどの超高齢化社会となっています。2012年時点で75歳以上の高齢者は1511万人であり、要介護認定を受けている人は533万人となっています。また、1947年時点では平均寿命は男性が50.1歳、女性54.0歳であったことを考えると、ここ60年近くで約30歳も平均寿命が延びています。2007年国民生活基礎調査では要支援・要介護になる原因の20〜30%以上は「関節の病気」、「転倒による骨折」が占めており、急速に平均寿命が延びたことにより運動器障害が急増したことが要因であると考えられます。そして、今後も高齢人口が2041年まで増加し続けることが予想されています。そのため、「ロコモ」を予防し健康寿命を延ばすことが重要視されています。

ロコモを予防しよう!!

まず、予防するためには自分のことを知ることが必要です。簡単なチェックとして下記の7項目があります。

①片脚立ちで、靴下が履けない
②家の中でつまずいたり、滑ったりする
③階段を上るのに、手すりが必要である
④横断歩道を青信号で渡りきれない
⑤15分くらい続けて歩けない
⑥2kg 程度の買い物(1 Lの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である
⑦家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

[ロコモパンフレット2010年度版より]

一つでも当てはまるようであればロコモの可能性があり運動をすすめる基準となります。
「ロコモ」に対する体操として椅子の背などにつかまって行う片脚立ちや椅子にゆっくりと腰掛けるようなスクワットが推奨されています。ロコモ予防としては、生活の中からエレベーターやエスカレーターではなく階段を利用したり、一駅または一停留所分歩くようにするなど運動習慣を作るように心掛けることが大切です。
また、現代社会では若年者であっても運動不足や食の偏りによって「メタボ」のような肥満や痩せすぎ体型も問題となっています。骨や筋肉の量は20~30歳代でピークを迎えます。若い頃より適度な運動で刺激を与え、適切な栄養を摂取することが大切です。

最後に

皆さん、「ロコモ」ってどんな状態かわかりましたか?「ロコモ」は誰にでもなりうる状態です。日頃から適度な運動を行い、適切な栄養を摂って健やかに年齢を積み重ねていきましょう。