みんなが知らない青年海外協力隊になる方法 PTの働くシリーズVol.4

前回、理学療法士が青年海外協力隊として世界で活躍していることをご紹介しました。現在(10月1日〜11月2日)、青年海外協力隊の募集期間です。今回はタイムリーなので青年海外協力隊に応募する方法や隊員の待遇やリハ関連職種の募集内容についてご紹介したいと思います。

青年海外協力隊になるには?

青年海外協力隊になるには採用試験に合格する必要があります。応募資格は満20歳から満39歳の日本国籍を持つ人です。募集は年2回(春募集4月~5月・秋募集10月~11月)を行われています。その期間中にJICAボランティアWebサイトでは、様々な職種のボランティアの要請が挙げられており、医療・保健分野の中に理学療法士や作業療法士があります。まずはその要請内容を見ることが青年海外協力隊になるための初めの一歩だと思います。

まずは自分にあった要請を探し!

要請はアジアやアフリカ、南米、大洋州など様々な地域と国から上がっており、理学療法士や作業療法士の要請は複数上げられています。今年の秋募集は理学療法士が20件、作業療法士が12件、言語聴覚士が4件です。また社会福祉関連の要請で障害者・児支援が36件、高齢者介護が3件となっています。派遣される国や地域は三つまで希望を出すことが出来るので、自分の興味がある国から要請を探したり、自分の経験と能力に見合った要請内容から探したりすることをお勧めします。私は自分の興味のある国や地域を優先しました。上げられている要請内容を全て見て、初めて聞く国の名前や地名をグーグルで検索し、どのような国なのか、食べ物は美味しいのか、気候はどうなのか、治安は良いのか、観光地は近いのかなど必死に調べました。その結果、南米の自然や文化に興味を惹かれ、エクアドルを第一希望にしました(結果は第3希望のタイでしたが…)。また、言語から要請を探すのも良いと思います。2年間、外国語を使用して活動するのでそれなりに外国語を習得することが出来ます。私は青年海外協力隊の志望理由の一つに英語の習得があったので、英語圏の国を探しました。いろいろと要請の選び方はあると思いますが、自分の希望に優先順位をつけて、要請と自分の経験と能力がマッチするか検討すれば良いと思います。

採用試験と派遣までの流れ

自分に見合った要請を見つけたら、JICAボランティアWebサイトから採用試験にエントリーを行います。採用試験は1次選考(書類審査)、2次選考(面接試験)が行われます。晴れて採用試験に合格すると2ヵ月の派遣前訓練(語学訓練など)に参加後、任国に派遣となります。

1次選考

1次選考は書類審査(技術審査、語学力審査、健康診断)が行われます。技術審査は職種別に試験が行われ、理学療法士の場合は、記述式の事例問題が4問程度出題されます。具体的には、コミュニティ・ベースド・リハビリテーション(CBR)や派遣国で想定される活動、理学療法全般について問われる内容です(例:村で生活する障害者・児に対する社会参加促進のイベントを企画しなさい)。私の時は「腰痛症を持つ45歳の男性に対する理学療法について答えなさい」という問題などでした。
語学力審査は語学資格やTOEICスコアなどが必要です。以前は2次選考会場でTOEICを受験することが出来ました。しかし、現在は資格やスコアを持っていない人は事前に語学資格やTOEIC試験を受ける必要があります。要請には求められる語学レベルがあります。そのため語学能力が高い人ほど要請を選びやすくなります。語学レベルが高いことに越したことはありませんが、英検3級程度またはTOEICスコア330点以上あれば合格できるそうです。私のTOEICスコアも正直恥ずかしくて人に言えませんが何とか合格できました。
そして、一番大切なのは健康診断です。青年海外協力隊が活動する地域は日本と異なり、自然環境や生活環境が厳しく、医療や衛生状態も悪い開発途上国です。そのため「健康」は必須となります。持病や治療中の傷病がある場合は完治した状態でないと合格出来ません。私は口腔外科で手術歴がありましたが、完治していのたで特に問題視されず合格することが出来ました。

2次選考

2次選考は面接試験です。ボランティアとしての適性について人物、技術の観点から面接が行われます。私の時は、ボランティアの応募理由や普段のストレス発散の方法などを聞かれました。また、「東北の震災の直後で、なぜ海外ボランティアに行きたいのか」と非常に考えさせられる質問を受けたのが印象的でした。技術面については「脳卒中片麻痺患者のトイレ動作について評価とアプローチを答えなさい」や「現地で行う研修会の案を上げて下さい」等、具体的な理学療法や活動内容についての質問を受けました。面接試験は想定外の質問が多く、なかなか答えを出すのが大変でした。しかし、青年海外協力隊が活動する現場も想定外のことばかりです。面接でも臨機応変に対応出来る能力があるかどうか、試されていると思います。2次選考で要請と受験者のマッチングが行われていると思います。そして、面接の中で「あなたは〇〇国に興味はありませんか?」と国を指定されて聞かれることもあるようです。また、真面目な人はアジアに派遣され、健康な人はアフリカに派遣されると言う様な噂も聞いたことがあります。派遣される国や地域についてはこの2次選考の影響は大きいと思います。

まとめ

以上、今回は簡単に青年海外協力隊になる方法についてご紹介しましたが、読むだけでは伝わりにくい部分もあると思います。募集期間中は各地で説明会も行われています。そこではボランティア経験者の話も聞くことが出来ますので、直接経験者の話を聞くのをおすすめします。次回は実際の青年海外協力隊の活動についてご紹介したいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

川副泰祐

陸上自衛隊退職後、理学療法士養成校に入学。卒業後はリハビリテーション病院で勤務し、2012年9月よりJICA青年海外協力隊としてタイ国に赴任。バンコク近郊のパトゥンターニー県労災リハビリテーションセンターに理学療法士として活動。帰国後、神奈川県内の病院で勤務中。長崎県長崎市出身。1982年12月生まれ。